今回の上演戯曲「イエスタデイ」の作家、清水邦夫さんは2021年に逝去されるまでに数多くの作品を残された劇作家・脚本家です。その作品の多くは、書籍化され現在も上演され続けています。
「イエスタデイ」は1996年に多摩美術大学の卒業公演の為に書き下ろされた戯曲で、現時点では書籍化されていない作品の1つ。唯一、2021年9月早川書房発行の『悲劇喜劇』で追悼 清水邦夫として特集が組まれた際に、この戯曲が掲載されていますが、今となってはなかなか手に入れることは難しいようです。
画:鵜木政幸
物語は、日本海の海鳴りが聞こえる町に住む稲葉家の姉(塩子)弟(次郎)の元に、稲葉家の遠い親戚である浦田家の三姉妹(海・雪・夢)と長男(源一)が疎開してきた日々を中心に描かれています。親戚とはいえ、面識もなく全く異なる2つの家族。清水邦夫さんの繊細で深い言葉によって描かれるそれぞれの在り方は、現代を生きる私たちにもどこか通ずるものがあるような気がします。
清水邦夫さんについては、公式サイトがありますので、そちらをご覧ください。