人物相関図

今日は、「イエスタデイ」に登場する人物たちのご紹介をしたいと思います。

作品に登場するのは、日本海の海鳴りが聞える町で写真館を営む稲葉家の次郎と、姉の塩子。そこへ東京から疎開してくる浦田家の長男 源一、長女の海、次女の雪、三女の夢。どちらの家族にもそれぞれの事情があり、子どもたちだけで暮らしている。と、そこへ写真を撮りにやってきた矢坂。彼は教員をしている塩子の同僚だが、明日、南方へ出征するという。次郎がカメラへ向かうと、撮影の助手を買って出る源一。そこへ楽器を手にやってくる三姉妹。困惑する一同。

それぞれが自由に生きているように見える浦田家の面々。しかし、ふとした瞬間に垣間見える、それぞれのあり方、心に秘めた思い……。浦田家の姿を通じて、次郎と塩子、稲葉家のあり方も浮き彫りになってくる。

彼らが疎開してきて数か月が経ったある日、事件が起こる。その日をきっかけに、この町を離れることを決意する源一。浦田家の彼らは、次の疎開地へと旅立っていく——。

そして、1945年8月9日、長崎に原子爆弾が投下される。

写真館に現れた人影が語り始める。次郎の記憶は、現在へと戻っていく。かけがえのない、一枚の記念写真……。

上演時間は、休憩なしの約1時間20分を予定しています。

3月15日-3月16日は、どうぞ劇場に足をお運びください。皆様のご来場、心よりお待ちしています。

(制作 江原)

オンライン稽古2

 10月12日、2回目のオンライン稽古でした。前回に続き、物語後半を読み進めながらのディスカッション。今回は、企画元で、映像・音楽を提供いただいているNANYA-SHIPの南谷朝子さんもご出席くださいました。

 南谷さんは、イエスタデイの脚本を書かれた清水邦夫さんの劇団「木冬社」に俳優として参加されていた経歴があり、この夏のイエスタデイ東京公演にも出演されていました。長きに渡って、清水邦夫作品に関わっていらっしゃる南谷さんから、清水邦夫作品に関する豆知識をいくつか教えていただきました。たくさんの作品をご存じだからこその視点、ありがたいです!  

 オンラインでの稽古は、実稽古に入る前の段階として、各シーンの台本に書かれていない部分をそれぞれで想像したり、皆で考えたり。戯曲に文字としては書かれていないけれど、見えて来るものや感じられるもの、確かにそこにあるものを出演者全員で共有する時間。いくら話しても尽きないほどに、想像する余白がたくさんある戯曲です。

 台本を読む。声に出して読む。目で読む。心で読む、というのは難しいですけれど、台本に書かれたほんの小さな言葉1つが、あらゆることを表すことに気が付くと、はっとします。劇作家ってすごいなぁ。清水邦夫さんの戯曲、素敵だなぁ……。舞台を1つ作ること、もちろん上演している時間も楽しいのですが、こうして作品と向き合って、普段は見落としている小さな発見を積み重ねられる時間は、愛おしく、とても豊かな気持ちになれます。

 本番まで2か月足らず、作品の隅々までほりおこして、発見して、イエスタデイ下関公演 in BILLIEならではの舞台を皆さまにお届けしたいと思っています。美しく幻想的なシーンもあれば、くすっと笑えたり、胸がきゅっとしたり。今回は、音楽・映像も用いての上演。目と耳と心で楽しめる作品です。是非、お楽しみに。

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