10月12日、2回目のオンライン稽古でした。前回に続き、物語後半を読み進めながらのディスカッション。今回は、企画元で、映像・音楽を提供いただいているNANYA-SHIPの南谷朝子さんもご出席くださいました。
南谷さんは、イエスタデイの脚本を書かれた清水邦夫さんの劇団「木冬社」に俳優として参加されていた経歴があり、この夏のイエスタデイ東京公演にも出演されていました。長きに渡って、清水邦夫作品に関わっていらっしゃる南谷さんから、清水邦夫作品に関する豆知識をいくつか教えていただきました。たくさんの作品をご存じだからこその視点、ありがたいです!
オンラインでの稽古は、実稽古に入る前の段階として、各シーンの台本に書かれていない部分をそれぞれで想像したり、皆で考えたり。戯曲に文字としては書かれていないけれど、見えて来るものや感じられるもの、確かにそこにあるものを出演者全員で共有する時間。いくら話しても尽きないほどに、想像する余白がたくさんある戯曲です。
台本を読む。声に出して読む。目で読む。心で読む、というのは難しいですけれど、台本に書かれたほんの小さな言葉1つが、あらゆることを表すことに気が付くと、はっとします。劇作家ってすごいなぁ。清水邦夫さんの戯曲、素敵だなぁ……。舞台を1つ作ること、もちろん上演している時間も楽しいのですが、こうして作品と向き合って、普段は見落としている小さな発見を積み重ねられる時間は、愛おしく、とても豊かな気持ちになれます。
本番まで2か月足らず、作品の隅々までほりおこして、発見して、イエスタデイ下関公演 in BILLIEならではの舞台を皆さまにお届けしたいと思っています。美しく幻想的なシーンもあれば、くすっと笑えたり、胸がきゅっとしたり。今回は、音楽・映像も用いての上演。目と耳と心で楽しめる作品です。是非、お楽しみに。