楽曲yesterdayとのリンク

上演作品の清水邦夫さんの戯曲「イエスタデイ」は、ビートルズの著名な楽曲、「yesterday」と何か関係があるのだろうか? と思われる方も多いかもしれません。

ストーリーも音楽も映像も、直接的な表現で名曲との関わりは描かれてはいません。ただ、次郎の思いや苦悩、作品中で描かれる一瞬一瞬の「今」のきらめきに、あの名曲「yesterday」の歌詞の一言一言が重なります。確かにあった昨日。ほんの少し前までは、手の届くところにあったはずなのに、今となっては遥かに遠く、二度と戻れない日々……あの日、あの時の自分。つのる思い……

 時の流れの早い現代、今、この瞬間を一所懸命に過ごすことは、とても難しいことだと感じています。明日何があるかはわからないと知っていて、わかってはいるのに、今をなおざりにしてしまったり、また今度、で済ませてしまったり。でも、目まぐるしく過ぎていく時に流されながら生きていくことに、本当にこれでいいの? と、少し不安になったりするのは、私だけなのでしょうか。

言葉にすることはとても難しいのですが、この公演を通して、「大切な昨日」を想い、「今を生きる」ことの意味を改めて感じていただけたらいいなと思っています。

(制作 江原)

以下、主催の江原千花の言葉です。

劇作家・清水邦夫さんの言葉の力——。絹のようにやわらかで、水のように透明な、それでいて、一度触れたら心の内まで染み込んでしまう忘れ難い魅力を持った言葉たち。いつか、誰かが言いました。「言ったものは去り、書いたものは残る」言葉は口にすると、そこに響いて、消えてしまいます。同じように、「昨日」も去っていきます。でも、確かにそこにある。「昨日」をのぞき込んだ私たちは、何を見て、何を思うでしょう——。「イエスタデイ」を一緒に作りましょう。

Chika.E Office 江原 千花

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